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たい焼き調査鯛

サービスデザイン方法論:第4回「リードユーザーインタビュー」(講義・ワークショップ)

今日はHCD-Netのサービスデザイン方法論第4回
「リードユーザーインタビュー」に参加してきました。
実務ではユーザビリティテスト時に事後のインタビューは
したことはあるがインタビューのみはしたことはない。

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会場は第1回目と同じmixiさんのセミナールーム。
講師はリコーの早川さんで毎月JBMIAでお世話になっているが
早川さんが講師のセミナーを受けるのは初めてだな。

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まずは講義。
半構造化インタビューでは「直接性(お客様の要望や不満)」と
「柔軟性(意外な情報)」を活かして新しい「気づき」を得る。
なぜそうしたのですか?どうしてですか?を繰り返していく。
インタビュー調査の進め方は
 (1)計画→(2)準備→(3)実施→(4)結果の整理

(1)計画段階ではWebや有識者キーマンから色々聞きだし事前調査をし
   仮説を引き出す、目的を明確化し、結果の活用を想定しておく。
   手法は目的に応じて選ぶ。
   インタビューに限らずどんな調査でもこれらは必要ですね。

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(2)準備では調査先をリクルートし、調査ツールを作成し、事前打ち合わせをする
   そしてインタビューシナリオを作成する。
   これが大切でこの質がインタビュー結果を左右してくる
   「(こちらが)聞きたい順序」≠「(相手が)答えやすい順序」
   相手の立場に立って答えやすい順序を検討する

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(3)実施ではデータ化や共有は素早くまとめることが大事で、
   即日振り返りが鉄則。
   ユーザビリティテストのときも実施してすぐデータの共有した方がいいしな。
   インタビューアの姿勢としては傾聴でお客様側に十分時間を与えて
   情報を聞き出すことが大事。
   分かったつもりにならずに、意見の根拠を知り後で他者に説明できるようにすること。

話をきく技術として「心理」「論理」「管理」

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「心理」は相手から安心して話せる状況を作り出す(誠実にメモを取ったり、相づちをうって共感する
そうかー、なるほど!などの右脳言葉(ゆるめる言葉)を使う

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「論理」は内容を確実に理解し整理する。
なぜですか?具体的に言うとどういうことですか?など左脳言葉(締める言葉)を使う。
そうやって聞くといつもは何気なくやっていることでも、
なんでなんだろうと考えてくれる
また、誘導は避けて、話を明確化する。
本人の体験なのか、それとも伝聞・推測なのか

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「管理」は調査目的を意識して話題をコントロールする
自由には話してもらうが、雑談になりすぎないようにタイミングをみて
必要な話題に切り替えたり、時間配分も考慮する

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続いてワークショップ。
今回からチームメンバーをチェンジして心機一転。
テーマは「買い物における行動特性や気持ちを聞き出す」
まずはそれぞれでどうやって聞こうかインタビューシナリオを考えます。
答えやすい順序を意識して、買い物と言っても色々あるので
自分は大きな買い物に重点を置こうと思いました。

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そのインタビューシナリオを元にインタビューを実施していきます。
5人チームでインタビューアー、インタビュイー、記録係、観察(2名)
と役割を分担し、
1)インタビュー:(1人15分)
2)観察者からインタビューアーにフィードバック(1人5分)
で(15分+5分)×5回の全ての役目を実施していきます。
インタビューを実施できるのは数人だけかなと思っていたら
全員できるということでお得な感じでした。
人のインタビューを聞くと参考になるし
他人の買い物の価値観を聞くのも面白い。自分と全く逆の人もいる。w

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その後、一番ユニークな買い物行動をしていたリードユーザーを決め、
補足インタビューをしていきます。
そのインタビューデータをもとに上位下位関係分析を使って、
ユーザーの本質的要求を導いてきます。

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ワークショップ中はあまり意識出来ていなかったが、
Beニーズ、Doニーズ、Haveニーズに分類するのがポイント
あと最終的に上位になり過ぎないように気を付けます。
ただ単に「幸せになりたい」ではなく、「~を通じて~になりたい」など
ある程度具体的なとことで止めておきます。

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ということでインタビューデータを書き出して、
それをラダーリングして本質的要求を分析していきます。

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他のチームも白熱してきました。時間内にまとめていきます。

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本質的要求まで出したら、各グループ発表していきます。

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コンセント石井さんの発表はしっかりしていて面白かった。
ビールのこだわりの話でかなり客観的に話していたが、
後で懇親会で聞いたら自分の話だったらしい。w
発表じゃんけんで負けたとか。w

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うちのチームの成果物。本質的要求をちょっと少し集約しすぎたかな。
発表は急に自分がすることになりました。
発表はすると緊張するし、前の発表は準備でいっぱいいっぱいで聞けず、
後は疲労感で頭に入ってきませんw

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最後に早川さんの講評。
今回は結構受講者から色々質問が出て、
みなさんの実務で関心のあるところなんだなと思った。

 

■関連情報
HCD-Netのページ:2013年度HCD-Net教育セミナー「サービスデザイン方法論(全6回)」
浅野先生のブログ:2013年HCD-Net教育セミナー・サービスデザイン方法論 第4回インタビュー調査
参加者源さんのブログ:サービスデザイン方法論第四回 【インタビュー調査とユーザーの本質的欲求抽出】 まとめ
参加者松崎さんのブログ:HCD-Netサービスデザイン教育セミナー インタビュー調査とユーザーの本質的要求抽出

■9/28~29東京アーカイブ
 サービスデザイン方法論:第4回「リードユーザーインタビュー」(講義・ワークショップ)
 サービスデザイン方法論:第4回「リードユーザーインタビュー」(懇親会)
 たい焼きレポ#44「招き屋」in東京都台東区谷中
 たい焼きレポ#45「根津のたいやき」in東京都文京区根津
 街ブラ「谷根千」
 9/28,29東京まとめ

■2013年度HCD-Net教育セミナー「サービスデザイン方法論」

 第1回 05月18日:エスノグラフィ(移動~講義)
          エスノグラフィ(フィールドワーク)
          エスノグラフィ(KA法による価値マップ作成)
          懇親会

 第2回 06月08日:カスタマージャーニーマップ(移動~講義)
          カスタマージャーニーマップ(ワークショップ)
          懇親会

 第3回 07月06日:発想法(講義・ワークショップ)
          懇親会
 第4回 09月28日:リードユーザーインタビュー(講義・ワークショップ)
          懇親会
 第5回 10月19日:構造化シナリオ法
 第6回 11月16日:ペーパープロトタイピング