「サービスデザイン方法論」第3回:発想法(講義・ワークショップ)
今日は「サービスデザイン方法論」の第3回目の発想法に参加してきました。
この日、本州でいち早く関東甲信越地方だけが梅雨明けをしとても暑い日でした。
そんな中ぷらっとこだまで品川まで行き、渋谷駅からこの道順通りGMOメディアへ向かいました。
途中の目印のローソンがなくなっていて変更しないといけないですねw
それでも無事到着。とてもキレイな会社でした。
講師は千葉工大の山崎先生。山崎先生のワークショップはいつもタイトスケジュールw
今日も盛りだくさんの内容で2つのワークショップがあります。
まずは講義。発想法の5つのポイント。
この5つのポイントはどこの本にも載っているわけでもなく、
山崎先生の感じているところをまとめたもの
1.既存の要素の新しい組み合わせ
アイデアのつくり型で一番大切なのは「アイデアの源泉にある原理」を把握すること
原理1:アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない(既存要素の整理)
原理2:既存の要素の新しい組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存する。
(事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の習性が大事)
アイデアの作り方がうまい人はいつでも問題点を探している。
既存の要素のストックがないと関連性が見えてこない。
このスライドの1.の「特殊知識」というのは〜に関する(例えばMFCとか、その分野の知識
「一般知識」というのは人間ってこうだよね。というような人間に関する知識。
2.拡散と収束
イメージは砂金取り。
いろんなところ(発想法)を掘りに行く→拡散
篩から落とさずに砂金(アイデア)だけを残す→収束
いい発想法なんてない。色々な発想を使いアイデアたくさん出して絞り混む
今日はそのたくさん出し方のワークショップ。
3.構造的発想と総合的発想
構造化コンセプトとはユーザーの使用状況を、行動の流れの視点で図式化したもの。
図のようにユーザの目標を要素に分解しそれに重みづけをし、その要素ごとにアイデアを検討する手法。
ただこの手法の短所は全体像が見えにくくなること。
4.モノからの発想とヒトからの発想
4つのアプローチ方法ということでHCDではヒトを重視しているが
もちろんモノも大事。人とモノを組み合わせて発想する。
1つ目はペルソナなどのヒトから客観的に発想する。
次はヒトから主観的に発想する
フィールドワークなどの気づきから。
時には論理的じゃなくても主観的でもいいじゃないかとのこと。
主観的も大事!!
次はモノから客観的に発想する。商品や技術のロードマップから
最後にモノから主観的に発想する。
ヒトからの発想を支援する5つの方法。
この中の2番目の体験マトリックスはこの後のワークショップで実践しました。
5.リフレームが大事。
フレーミングとは日常的な視点で状況を捉えること。
(例:目覚まし時計とは朝起きるためのもの)
リフレーミングとは 一つ上の視点にしてみるなどして新たな視点で状況を捉えること。
(例:気持ちのよい目覚めをするための道具)
リフレーミングには2パターンあり、意味のリフレーミングと状況のリフレーミング
意味のリフレーミングは状況は変えずに意味(感じた方)を変えること。
状況のリフレーミングは意味を変えずに状況を変えること。
このリフレーミングを使ってミニワークショップ。
題材は「目覚まし時計」で意味と状況のリフレーミングを行う。
イラストは得意でないので、この程度が限界です(^^;
後でチームメンバーと話していいなと思ったのは、
そのイラストのある状況のリフレーミングの方で
目覚まし時計を「朝起きるために時間になったら鳴るモノ」とフレーミングし
その「朝」という状況を「夜」と変えて
「夜寝ようとする時間をセットして、その時間になったら鳴るモノ」とリフレーミングしました。
ついつい夜更かししてしまう人が睡眠時間をしっかりとるためや
子供のいる人はなかなか寝ない子供に言い聞かせるためにもいいんじゃないかと言っていました。
ワークショップの1つの目。価値マップからの発想。
第1回目のエスノグラフィで作成した価値マップから場所や人、行動などのコンテクストと抜き出し
その中で注目したもので3×3ぐらいのマトリクスを作成する。
そのマトリクスの組み合わせでアイデアを発想していきます。
早速チームに分かれて作業に取り掛かり。壁がホワイトボードなのは素晴らしい!
うちのチームは日常と非日常という場面と買い物の試す、決断するなどの行動でマトリクスを作成した。
その中で人は買い物で失敗したくないから、たくさん試すことが多いので、
全てが試せるお家というアイデアを出してみた。
次はカスタマージャーニーマップを元に発想するワークショップ。
第2回セミナーで作成したカスタマージャーニーマップから単純に最悪になるシナリオをどんどん出していく。
(例:商品が分解して家に届く)
それに対して素直な発想と(例:商品が組み立ててある)
逆転の発想、最悪シナリオの最悪なところを生かしながら発想する
(例:商品が分解されているが、組み立てる楽しみがある)
このワークショップは約1時間でUXマップまで作らないといけないのでこれまた時間がタイト。
最悪シナリオをどんどん書き出していきます。
逆転の発想は考えるは面白いですね。
でも我々のチームは家がテーマだったのだが、
最悪シナリオを生かしながら「いいこと」がないといいアイデアではないと思うのですが、
その「いいこと」が値段が安くなることぐらいしか思いつかなかったのが発想が貧困だなと痛感しました。
なんとか形になり、体験マトリクスのアイデアの方は大友さんがプレゼンし、
最悪シナリオからの発想の方は自分がプレゼンしました。
とりあえずジャーニーマップまで形にして発表できました。
やっぱり発表は緊張して(というか内容を頭でまとめないといけないので)
それまでのチームのプレゼンはほとんど聞いてませんでしたw
他のチームで面白いなと思ったアイデアはGチームの
場所が「レジ」、価値が「ストレス軽減」で発想したアイデアで
カゴに商品を入れたら自動で合計を計算してくれて、レジでの精算もすぐ出来てしまうシステム。
買い物中もだいたいどのぐらいかなとざっと計算しているときとかあるからこれがあると便利だな。
特に何円以上買うと何か特典がもらえるとかというときにしてるかな。w
Fチームのおじいちゃん、おばあちゃんになんとなく欲しいものを伝えるサービスもウケていた。
UXマップの方も「買い替えできない車」という最悪シナリオから
ケータイみたいに2年しばりとかでそれで安ければよいのでは?
という発想から免許の取得から10年間全部コミコミプランのというアイデアはちょっといいな~と思った。
今回はアイデアの発想法ということでアイデアの拡散の仕方がメイン。
このたくさん出したアイデアを収束、いかにいいものだけを絞り込むかもポイントになってきますね。
「いい」と判断するためにどう評価していくかも大事だろうなと感じました。
品質保証としては普段の仕事ではなかなかしないことなので、いつも以上に大変でした。
とてもタイトなスケジュールでしたが充実して、そして疲れたワークショップでした。
■関連情報
HCD-Netのページ:2013年度HCD-Net教育セミナー「サービスデザイン方法論(全6回)」
浅野先生のブログ:2013年HCD-Net教育セミナー・サービスデザイン方法論 第3回発想法
参加者源さんのブログ:サービスデザイン方法論第三回 【発想法】 まとめ
参加者山岸さんのブログ:HCD-Net サービスデザイン方法論3「発想法」
参加者松崎さんのブログ:HCD-Net サービスデザインセミナー 発想法
■2013年度HCD-Net教育セミナー「サービスデザイン方法論」
第1回 05月18日:エスノグラフィ(移動~講義)
エスノグラフィ(フィールドワーク)
エスノグラフィ(KA法による価値マップ作成)
懇親会
第2回 06月08日:カスタマージャーニーマップ(移動~講義)
カスタマージャーニーマップ(ワークショップ)
懇親会
第3回 07月06日:発想法(講義・ワークショップ)
懇親会
第4回 09月28日:リードユーザーインタビュー
第5回 10月19日:構造化シナリオ法
第6回 11月16日:ペーパープロトタイピング
■7/6~7東京・神奈川アーカイブ
「サービスデザイン方法論」第3回:発想法(講義・ワークショップ)
「サービスデザイン方法論」第3回:懇親会
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